ゾウリムシの接合
　単細胞のゾウリムシは２分裂で数を増やしますが，
これだと全ての細胞が同じ遺伝子を持つことになります。(クローン）

条件が整えば，ゾウリムシは２つの細胞がくっついて，
お互いに遺伝子を交換します。(接合）
これは多細胞の生物でいえば受精（有性生殖）になります。
ここでは，ゾウリムシ(Paramecium caudatum)の接合のようすを観察しましょう。
基礎知識
・ゾウリムシには♂と♀がいる？！
　野外からゾウリムシを採集してきて，培養し，接合させようとすると，
うまくいかないことがあります。
これは，外見からはわかりませんが，ゾウリムシには性の区別があって，
同じ性のものは接合しないからです。
　培養してある，性の違うゾウリムシを混ぜると，ゾウリムシどうしがくっつきあって，
大きな細胞の塊をつくります。（性的細胞凝集反応）
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その後，３０〜４０分くらいたつと，その細胞の塊の中から
ペアになったゾウリムシが泳ぎだしてきます。
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接合の過程
（１）接合する前のゾウリムシ
大核は体細胞，小核は生殖細胞（卵や精子）
にあたる
（２）性の違うゾウリムシを混ぜてから
　　　約1時間後
ペアになっている
小核は大核のポケットから出て，
三日月状になっている（クレセント） 		（３）各々の細胞で小核が２階分裂し，
　　　４個になる（減数分裂）
（４）４個の小核のうち３個が焼失
残った1個が１回分裂して２個になる
そのうちの１個を互いに交換し，融合させる
（受精） 		（５）核を交換した後，ペアは離れる
融合した核の分裂が始まる
（６）融合した核は２回分裂して４個に・・・ （７）さらにもう１回分裂して8個に
大核は次第にヒモ状に崩壊していく
（８）８個の融合核のうち，４個は前に
４個は後ろに位置する 		（９）前の４個の核のうち，３個が消失
残った１個が新しい小核になる
後ろの４個は次第に大きくなり，
大核原基がつくられる
旧大核の崩壊が進む

この後，細胞質と小核が２回分裂して，４細胞（４匹？）になる。
大核原基は１つずつ分配されて，新大核になる。（旧大核はなくなる）
最終的に，１つの細胞に小核と大核を１つずつ持つゾウリムシになる。